鑑定・査定用語集

鑑定・査定用語集

共箱(ともばこ)・箱書き(はこがき)

共箱軸美術品を仕舞う箱の蓋(ふた)、または胴部分に書いてある書き付け。作者名(落款と印)と画題が書いてあるのが一般シール的。作者本人でない場合、鑑定者の名前と作者名等が書いてあることが多い。日本画や茶道具等の場合、真贋の鑑定や、査定評価にも大きく影響すします。 

共板

額の美術品を仕舞う箱の蓋(ふた)。共箱と同様、作者名と画題が書いてあるのが一般的です。

鑑定証

共箱作者本人が亡くなった後、真筆であるかどうかを判定すること。一般的に、作者の親族や弟子が行うことが多いが、昨今では「鑑定委員会」方式で鑑定を行うことも多いです。また、洋画の場合、有力画商が窓口で行う場合もあります。一般に、真筆であれば「鑑定証」または「シール」を発行、あるいは「箱書」を行っています。

共シール

共シール額の裏側に貼り付けてある、作者名(落款と印)と画題が書いてあるシール。真筆である証明になります。
査定をご依頼の場合、共シールのお写真も添付下さい。
 

工芸品

有名作家の作品を印刷したもの。残念ながら買取の対象にはなりません。

極め書(きわめがき)・折紙(おりがみ)

共箱鑑定者が自筆で書いた、真筆を証明する証明書。(転じて、折り紙付といえば「保証付」の意味となる。)江戸期以前の書画・茶道具などの箱の中にしばしば「折り紙」形式で添付された。

落款(らっかん)

共箱完成した書画に、作者が署名捺印を施すこと。「落成款識」の略。画面の余白に、雅号を記し、印(または花押)を押す。しばしば制作年、季節、年齢なども雅号の前に添えられる。

「書画」とは

共箱書画とは文字通り書(蹟)と絵画を一口に言ったものですが、美術品として取り扱うときの要件を述べると、次のようになります。
  • 奈良・平安朝の書蹟(古筆、古経など)をはじめ鎌倉・室町・桃山・江戸・明治より現代に至る歴史上のもろもろの人物の筆跡
  • 同じく奈良から現代に至るまでの(おもに)著名な画家たちの手による絵画作品
  • 1.2.について、かたちはおおむね掛け軸になったもの(巻物、帖などの形状もあり)
  • 書については、平安・鎌倉期の書は、貴重なものは博物館・美術館に収まっているものが多く、写経以外は商品として流通するものはめったにありませんが、南北朝~江戸期になると、歴代の天皇・公卿・武将・高僧・歌人・茶人、その他著名人などのおびただしい数の人物の書が蒐集(しゅうしゅう)・鑑賞の対象となっています。私どもの手元の資料によれば、おおよそ1400人の書が挙げられております。
     絵画については、平安・鎌倉期の絵は、作者確証のある絵は極めてまれなのですが、室町~近代に至る歴史上画家として名の残った人の絵は勿論、画家とは言えない人でも何らかの意味で著名な人の絵(例えば宮本武蔵)はやはり「書画商」の扱う対象となります。そうした意味で、1000人くらいの「画家」を数えることができます。